0から始めるEmacs 業務カイゼン計画 第0回 ~インストール編~
Emacsの世界へようこそ
ここではあらゆる政治や宗教上の理由を無視して、あなたの業務をカイゼンし、快適な生産的活動をサポートするためのツール「Emacs」を導入、活用する方法をお伝えできればと思っています。
Emacsになにができるのか、ということですが、
・プログラム、テキストを記述する
・日々のタスク、作業時間を管理する
・etc.
個人的には上の二つがメインな訳ですが、Emacsはカスタマイズ性が非常に高いのが特徴で、人によって様々な使い方があります。
最近流行りのUnityを筆者もしばしば使うのですが、そのスクリプトを書く際にもEmacsを使用しており後々紹介できればと思っています。
インストール
今回は第0回ということで、インストール方法をご紹介させて頂きます。
環境はMacで進めていきます。
WindowsでもGNUPackなどで提供されていますが、Emacsのプラグイン(package)にはLinuxシステムに依存するものが多くあり、Emacsをフルに活用することは難しいと思われます。
インストールにはhomebrewを使用します。
homebrew自体のインストールはここから(Homebrew — OS X用パッケージマネージャー)
homebrewをインストールした状態でターミナルに次のコマンドを入力します。
大体2,3分くらいでインストールが終わります。
2015-04-23現在では24.4.1がインストールされました。
では起動してみましょう。
アプリケーションフォルダに.App形式で入っているのでこのアイコンをクリックすれば起動します。SpotlightやAlfredからでも"Emacs"で起動できます。
おめでとうございます、今日からあなたもEmacsユーザーです。
終わりよければ全て良し?
まずは最初に覚えるべきコマンドは終了かと思います。
終了: C-x C-c
Emacsではショートカットをこのように表記します。公式を含め、色々なところで目にすることになるかと思います。
読み方は
C-x : Ctrlを押しながらx
C-c:Ctrlを押しながらc
つまりCtrlを押しながらxcと入力すればよいということです。
公式日本語チュートリアル
また、Emacsにはチュートリアルが標準で搭載されており日本語版もありますので
是非やってみてください。
やり方は
M-x help-with-tutorial-spec-language RET Japanese RET
今度は
M-x :Alt(Metaキー)を押しながらx
"M-xというのはEmacsではコマンド入力が割り当てられていて押すとコマンド入力状態になります。このあとにEmacsのコマンドを入力して機能を呼び出すことができます。"
help-with-tutorial-spec-language :コマンド、長いですがターミナルのようにTabキーで補完が効きます。
*補完候補の表示
RET :Return(Enter)、見慣れない書き方に感じる方もいるかもしれませんがEmacs関連では大抵このように表記されます。
次のような状態でReturnを押します。
言語を選択するように問われますので "Japanese"と入力してRET
チュートリアルが開始されるのであとはチュートリアルの内容に沿ってチュートリアルを進めましょう。
第0回ですので今回はここまで。
最後に
チュートリアルを終えた段階ではEmacsが言われるほど便利に感じる方は少ないかと思います。それはごく自然でEmacsの最大の魅力はカスタマイズ性にあります。
チュートリアルでは基本的な動作しか使われませんし、そこで得た操作方法を毎日全て使うかと言えばそんなことは無く、下手をすれば全く違う操作方法をしているEmacsユーザーもいることでしょう。
Emacsはあなたに合わせたオーダーメイドのエディタをあなた自身がつくり上げることができるのです。
「自分で全部カスタマイズしなきゃいけないの?」と思うかもしれませんが、Emacsには様々なプラグインが公開されておりそれらをパッケージシステムを用いていとも簡単に導入することができます。そのためEmacsのカスタマイズにはさほど労力は割かれませんし、カスタマイズした分だけあなたの生産性を向上させてくれる、と言っても過言ではありません。
一般的に専用よりも汎用的な物が好まれることが多いです。
汎用的な物というのは確かに便利に感じることが多いですが、それらは多くの場合で時間や性能のトレードオフが生じます。
コンピュータ分野では専用プロセッサが用意されると性能が向上する場合が多くあり、
プログラミングにも同じことが言えます。
個人個人によっても指の長さ、キーボードなどのハードウェア的に、計算能力や記憶力、反射神経などソフトウェア的に、誰一人として全く同じ人は存在しませんし、その人がやる作業、方法もまた時と場合によって変化していきます。
それにも関わらず皆が同じエディタを同じ設定、同じ操作方法で日々使い続けるというのは実にナンセンスです。
勿論Emacs以外にもカスタマイズ性の高いエディタはありますし、エディタを選ぶということ自体もカスタマイズの1つとも言えます。
大切なことは万人に通用する絶対的な解決策など無く、自分自身に合った方法を自分自身で模索するということなのです。
ここではEmacsをその1つとしてご紹介させていただきます。
参考
Macで本家EmacsとHomebrew IMEパッチ版とEmacs Mac PortとAquamacsを比べてみる。 | たったのセブンクレジット